妄想徒然紀行

僕という矮小な人間の大いなる退屈な日々の記録と、それにひっそりと横たわってくれる素晴らしき現象の記録。専門用語は使わず、ごくごく個人的な感想だけでつづります。
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IN RAINBOWS (Radiohead)


IN RAINBOWS

2007年発売。Radioheadの7作目となるオリジナルアルバム。

このアルバムについてはもう何だか色んな所で散々批評をされているので、今更どうこういう事の意味なんてあまりないのかもしれない。

ただ、このアルバムについて語る時に忘れてはいけないのは、次の二つ。(1)ダウンロード販売で先攻リリースされたという事と、(2)「物凄く」いいアルバムであるという二点だ。

ダウンロード販売というと、少し語弊があるかもしれない。どうしてかというと、「買わなくても」いいからだ。ユーザーは、ダウンロードする際に自分で値段を決められる。むろん、無料でダウンロードする事も出来る。そしてダウンロードする画面に現れるメッセージは「Its Up To You」(全ては君次第)だったと記憶している(違ってたらすいません。でも、意味は大体こんな意味だった筈)。

何だかRadioheadって、今までのアルバムを聞いていると、自己否定から始まって、怒りがあって、無我の境地があって、やがて形容しようのないおぞましい世界に突き進んでいっていたような印象がある。
それが、ここにきて「君次第」。ダウンロードする時は分からなかったけど、このアルバムを聞いて思うのは、この「君次第」というメッセージが決してネガティブな意味ではないという事。どちらかというとポジティブで、「僕次第だから何とかせなな」と思わせてくれるような意味合いなんじゃないかという気がする(むろんそれは厳しい事でもあるのだけど)。

上の(2)にもあるように、このアルバムは単純にアルバムとして「いい」。ストレスなく聞けるし、何度も聞きたくなる。何か、決して派手な曲があるわけではないし、物凄くキャッチーなポップソングがある訳でもないんだけど、自然とすんなりと、心の内側に入ってくる。
そしてこれが重要なんだけど、最近のRadioheadからは考えられないような優しくて温かい曲が多い。「kid A」みたいな凍り付くような絶望感もなければ、「Amnesiac」にあったようなカオスもない。ただただそこには、人の儚い思いと、希望と、願いがある。
そして最後の曲を聞き終えた後に来る安堵感と気持ちよさの中で改めて「君次第」という言葉を考えてみると、やはり決してあれはネガティブな意味じゃなかったんだと思わせるのだ。

Radioheadが、ダウンロード先攻リリースという方法論に何かの意味を持たせていたのかどうかは知らない。持たせていたのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
ただ、インターネットという最先端で無機質な概念によって産み落とされた音楽が、こんなにも優しくて温かい曲である事は、一種の感動だったりもする。

ところで、僕はこれをダウンロードしつつ、更にこないだリリースされたCDもちゃんと買った。収録されている曲は全く一緒。
この行為に意味を成さないと思う人は、恐らく多分、Radioheadの事をそこまで好きではない人なんじゃないかと思う。多分、Radioheadファンを公言する人ならば、きっとダウンロード版もCD版も持ってるんじゃなかろうか。

音質は、CD版の方がよい気もする。でも、ダウンロード版も別に悪いわけじゃない。問題は、そんな事じゃないのだ。

何でなのか分からないけど、やはりネットで安易に落とされる快楽よりも、より物質的な「感覚」が欲しいのかもしれない。Radioheadが、きちんとCD版もリリースするのにも、その辺に意味があるからなのかもしれない。

違うのかもしれないけど。

| モウソウマン | よいアルバム【洋楽】 | 00:23 | comments(0) | - |
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