妄想徒然紀行

僕という矮小な人間の大いなる退屈な日々の記録と、それにひっそりと横たわってくれる素晴らしき現象の記録。専門用語は使わず、ごくごく個人的な感想だけでつづります。
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好きな事を仕事にするという事
先日、かねてより崇拝していた某有名スポーツ選手(というか格闘家)をインタビューする機会があった。いやあ、この仕事しててよかったなあ、と思った。すいません、公私混同で。

で、その中でこんな話が出てきた。

「皆さん、好きな事を仕事にしてるから僕は幸せ者とか言いますけど、仕事で嫌な事なんてたくさんありますよ。大量にある嫌な事をどうにかやりすごして、僅かな瞬間の好きな事を楽しんでるだけです。練習だってめんどくさいし」

との事だった。

幾ら格闘技好きだからといって、殴られるのが好きな訳ではない。また、スターになるまでには過酷な弟子生活もあるし厳しいトレーニングに長年耐える必要がある。そして、格闘家なんて決して大きなお金をもらえる仕事ではない(一昔前に流行った時は別)。
出来れば、そんな辛い事なんてない方がいいに決まっているだろう。では、そうした苦痛の現実から離脱して、もっと別の道に進んだ方がいいんじゃないかという考えは起きなかったのか。

「いや、全然考えた事ないですね」
「好きな事続ける為には、辛い事やり過ごすしかねえなっていうだけですよ」

なるほどなあ、と思った。常人であれば当然考えるであろうリスクとか回避方法とか、そういう発想は一切起きないのだ。ただただ、好きな事をやる為に嫌いな事を我慢しているだけ、という。

言われてみれば、凄くシンプルだ。ただ僕達は、その嫌いな事がどうしても嫌で、別の道に逃げてしまう。嫌な事がない世界なんて、この世にある筈ないのにね。

また先日、割と尊敬しているとある方(女性だ)と飲んだ時、こんな事をおっしゃっていた。

「あたしが嫌いな言葉の一つに、「好きな事を仕事にする」というものがあります」

「好きな事を仕事にする」というのは、学生が将来の職業を検討する際によく出てくるキーワード。
そもそも、仕事というものをはき違えている、というのが彼女の趣旨だ。

「好きな事を仕事にする」と言われると、何だか素敵な事のような気がしてしまう。ただ、その素敵な雰囲気のベールは、「嫌な事」を隠してしまう。こうして、素敵ベールが解けて嫌な事が現れた瞬間、「こんな筈じゃなかった」という事態になってしまう。

仕事とは、辛いものである。そりゃそうだ。お金を儲けるという事は、本来的には楽な事ではないのだ。大変な事をしている代償として、お金をもらっているのだから。
でも、辛い事のその先に、キラッとした一抹の輝きがある。そしてそもそも、辛い事をどう乗り越えて楽しい事に辿り着くかというそのプロセスは、緊張感があってわくわくするし刺激的なのだ。

別に「好きな事を仕事にする」事が間違っている訳ではない。
ただ、そこにパラダイスがあるとは思ってはいけない、という話。

たまたま同じような話をほぼ同時期に聞いたもので、つい。
| モウソウマン | 日々雑感也 | 22:29 | comments(0) | - |
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